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田中 辰明
 ・・・お茶の水女子大学生活科学部教授。工学博士、一級建築士。


基調講演 :「サスティナブル・ビルディング〜地球環境と外断熱」 30分
 地球環境問題は極めて深刻な状況にある。地球環境が破壊されてしまえば、年金問題も、大学改革も、恋愛問題も全て無意味になる。しかるに最終エネルギー消費の推移は98年度に対前年度マイナスになったのを除けば、80年度以降一貫して増えており、特に民生部門のエネルギー消費は増加し続けている。いまこそ、持続可能な日本のための、持続可能な建築が求められている。
田中博士は、1973年にドイツよりオイルショックの真っ只中の日本に帰国し、以降国のさまざまなプロジェクトに参加し「外断熱=持続可能な建築」の推進と建築物理の普及を実践している。また、病院における内断熱と外断熱による真菌(カビ)発生量の違いの調査や発表を行っている。
生活者として、外断熱による自邸を設計し、長期にわたる居住体験を踏まえて、「地球環境と外断熱」について講演する。



クラウス・ゼドルバウアー
 ・・・フラウンホーファー建築物理研究所所長。工学博士

講演 1 :「建築物理とわたしたちの生活〜結露やカビのない住まいづくり」 60分
 ドイツにおける建築物理研究は近年めざましく発達し、さまざまな有益な知識及び技術革新をもたらしている。フラウンホ−フアー研究所の建築物理部門であるフラウンホーファー建築物理研究所の研究開発は、その発展に大きく寄与している。
今年で創立75年目を迎える世界的な建築物理研究機関のフラウンホーファー建築物理研究所(IBP)所長であるクラウス・ゼドルバウアー(工学博士、物理博士、シュトゥットガルト大学教授を兼任)が、建築物における熱及び湿気の対策について、日本の状況に適した内容の講演を行う。
また、革新的な建材、新しい建築モデル、快適性や衛生(結露・カビ・健康)に関する室内環境の評価方法について紹介する。
また、今後の省エネルギー対策及び室内空気質の改善(シックハウス対策)に関して、ヨーロッパでの考え方を紹介する。



ハルトヴイック・ミカエル・キュンツエル
 ・・・フラウンホーファー建築物理研究所「熱・水蒸気部門責任者」。工学博士。
講演 2 :「建築物理とサスティナブル・ビルディング〜
結露やカビよる被害のない、省エネルギー建築の実現」 60分
 建物の暖冷房負荷にたいする省エネルギー対策は、断熱性能と気密性能を高めることにより実現される。しかし、断熱性能と気密性能を高めると、壁や屋根の躯体(コンクリート)部分の湿度が上昇するため、室内側の壁表面や断熱層と躯体(コンクリート)の境界にカビが発生する。
その他にも湿気による被害は、藻類の発生、サビ、剥離、凍害、断熱性能の低下などとして現れる。そのような建物(住宅)における湿気による結露・カビ等の被害を予防するためには、自然状態における建物の非定常的な熱や湿気の挙動について研究する必要がある。これまでは、自然状態にさらした大規模な実験や特別な人工気候室内での実験が必要であったが、今日では、熱や湿気の挙動に関する研究は、(実験結果をもとに作成された)シミュレーションプログラムによって行うことが可能である。このシミュレーションプログラムは実際に自然状態にさらして行う実験に比べて容易に様々な気候条件のもとでの結果を算出することができるという利点がある。
フラウンホーファー建築物理研究所の熱・湿気部門の部長として長年、研究に携わっているハルトヴイック・M・キュンツエル博士は、自然状態での熱や湿気の挙動について、実験とシミュレーションによる結果の整合性、信頼性についての講演を行う。

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