今川祐二のハンス・エーク同行記
第1回 ハンス・エーク氏との出会い

 

はじめに

無暖房住宅の設計者ハンス・エーク氏との出会いは、2002年1月に実施された、NPO外断熱推進会議主催の第二回「スウェーデン・ドイツ外断熱調査ツアー」に参加して、スウェーデン第二の都市イエテボリ市を訪れた時でした。無暖房住宅については、本当に無暖房なのか半信半疑であり、どの程度のものかくらいの感じで望んだ視察は、実物を見ることで一変してしまいました。

リンドース地区の団地に着き、一般住宅(スウェーデンハウス)を横目にして進むと奥手側に無暖房住宅が建っていました。


▲リンドース地区の住宅地内一番奥にあるが無暖房住宅

黒と一部小豆色の外壁、赤茶色の屋根瓦、黄色い窓枠と玄関ドア、2階バルコニーはガラスの腰壁で、廻りの一般住宅と比べると色や造りが斬新です。さらに、連棟型(タウンハウスタイプ)の2階建てのため、堂々とした振る舞いに見えました。


▲無暖房住宅南面バルコニー側


▲無暖房住宅北面玄関側


無暖房住宅の性能基準

無暖房住宅の設計者のハンス・エーク氏より
・南面屋根に付く太陽光給湯パネル5m2により年間給湯使用量の50%をまかなうこと
・各部の断熱厚さは、屋根部分48cm、壁部分43cm、床部分25cm
・窓のU値は0.85W/m2K、ドアのU値は0.80W/m2K、の各性能値であること、特に窓は、特殊なガスを入れる事で、性能がUPされていること
・台所に設置されている熱交換換気扇は、1時間に0.5回の全室量の換気を行っていること
などの説明を受けました。


▲配置などの説明をするハンス・エーク氏


▲パネルを使って説明するハンス氏と通訳の友子・ハンソンさん


▲無暖房住宅の換気システムと太陽熱の入射を示したボード

前日のスウェーデン・ルンド大学における、アーネ・エルムロート博士からのレクチャーで、現在スウェーデンの断熱基準では壁の断熱厚さは270mmであることで、驚いたばかりだが、無暖房住宅のさらに厚い断熱に一同驚愕した。どこまで、断熱すれば無暖房住宅になるのかは、建築家であればだれでも知りたい事だ。


▲高性能な窓の説明に一同ビックリ


究極の住宅こそ、無暖房住宅だから

しかし、いざ無暖房住宅を試みるとなると、自信が無いのが本音だと思う。裏づけが無ければ、またあっても失敗は出来ないから。

これはすごい、本物だ。こんな家を、北海道に建ててみたい。私の率直な感想だった。

それから2年、無暖房住宅については、ホームページに視察した事を述べるにとどまり、自分で手掛けるなど考えもしませんでした。

NPO法人外断熱推進会議が、ハンス・エーク氏を日本に招き、講演会を行う事を知ったのは、2004年の暮れの事でした。無暖房住宅について、直接確認出来るまたと無い機会と考え、無理を承知で滞在期間中の同行を外断熱推進会議に希望し、実現しました。

<次号に続く>



 【今川祐二さんの経歴紹介】
 
 ▲ハンス・エーク氏と筆者
 1953年(昭和28年)
北海道旭川市生まれ
 1954年(昭和47年)
丸彦渡辺建設(株)入社、現場主任・現場所長
 1982年(昭和57年)
一級建築士取得
 1984年(昭和59年)
一級建築施工管理技士取得
 1990年(平成2年)
一級土木施工管理技士取得
 1994年(平成6年)
ツーバイシステム開発(株)入社
設計・積算部長
2×4パネル生産出荷
木造合理化工法生産出荷
 2000年(平成12年)
今川建築設計監理事務所設立
 2001年(平成13年)  
株式会社 今川建築設計監理事務所設立
日本建築士会札幌支部会員
オープンシステムネットワーク会員


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